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仮面城(日文版)-第4部分

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 へやのまんなかには、一メ去肓⒎饯椁い未螭丹巍ⅳ胜螭趣猡à郡い沃欷虣C械があるのだ。鉄の歯車やくさりが、ゴチャゴチャとからみあって、文彦がいままで、見たこともないような機械だった。
 そのほか、薬品戸だなや、ガラスの器具や、流しや、バ施‘や試験管など、まるで、学校の理科の実験室のようである。
 金田一耕助は目を光らせて、機械をのぞきこんでいたが、やがて台の上を指でこすると蛍光燈の光で、ジッとながめていた。
「先生、これはいったい、なんの機械でしょう?」
「文彦くん、きみはこの地下室から、みょうな音が聞こえてきた、といったね。それはきっと、この機械が動く音だったんだよ」
 金田一耕助はむずかしい顔をして、
「くわしいことはぼくにもわからない。それにこの機械はこわれている。だれかがこわしていったんだ。しかし、ぼくにはこの機械が、炭素の|精《せい》|製《せい》|機《き》、木炭などの粉末から、純粋の炭素を製造する機械としか思えない」
 ああ、それにしても、純粋な炭素を製造して、いったいどうしようというのだろうか。
 金田一耕助はまたしてもジッと考えこんだ。

     怪少年の告白

 それから間もなくふたりが、地下室から応接室へ帰ってくると、ちょうどいいぐあいに、少年が息をふきかえしているところだった。少年はふしぎそうにキョトキョトと、あたりを見まわしていたが、金田一耕助や文彦のすがたを見ると、キャッと叫んで、逃げだそうとした。
「だいじょうぶだ。なにもこわがることはない」
 金田一耕助は少年のかたを押さえると、
「きみはいったいだれなの。どうして、よろいのなかなんかにかくれていたの」
 見るとその子は目のクリクリとした、いかにもすばしっこそうな少年だったが、耕助にそうたずねられると、みるみるまっ青になって、
「おじさん、そ、それはいえません。それをいったら、ぼく、殺されてしまいます」
「殺される……? は、は、は、バカな。いったいだれが、きみを殺そうというんだい」
「おばあさんです。蕙螗趣蜃扭俊⒛Хㄊ工い韦瑜Δ胜肖ⅳ丹螭
 ふたりは思わず顔を見合わせた。
「きみ、なにも心配することはない。おじさんは警察のひとたちにも、たくさん知り合いがあるからね。きっときみを守ってあげる。だから、さあ、なにもかも話してごらん」
「おじさん、それ、ほんと?」
「ほんとだよ。きみ、このおじさんは金田一耕助といって、とてもえらい探偵なんだよ」
 文彦がほこらしげにいうと、少年は目を光らせて、
「おじさん、ほんと? すごいなあ。それじゃおじさん、ぼく、なにもかもいってしまうから、ぼくを助手にしてください」
「よしよし、きみはりこうそうな顔をしているから、きっと役に立つだろう。さあ、話してごらん」
「うん」
 と、強くうなずいて、その少年の語るところによるとこうだった。
 魔法使いのようなおばあさんは、その子を竹田文彦だといって連れてきたのだという。しかし、そのうそはすぐにばれてしまった。大野老人は右腕にあるあざを見ると、
「うそだ! この子は文彦じゃない。文彦のあざは左の腕にあるはずだ!」
 それを聞くとおばあさんは、しまったとばかりにつえをふりあげて、大野老人をなぐり倒した。そして老人が気を失っているあいだに、大急ぎでその子によろいを着せ、よくこの家を見張っているようにと命じて、あわててそこを立ち去ったというのである。
 少年はそれからずっとよろいのなかから、あたりのようすをうかがっていたが、とうとう本物の文彦に、それを感づかれてしまった。文彦から注意をうけた香代子は、急いで家へ帰ってくると大野老人にそのことを耳打ちした。
 少年はとうとう見つかってしまった。大野老人は少年をよろいごと、いす[#「いす」に傍点]にしばりつけると、いろんなことをたずねたが、それからきゅうに大さわぎをして荷物をまとめて、自動車で逃げてしまったらしいのだ。
 ところがそれから間もなくまた、魔法使いのようなおばあさんがやってきた。そして少年の見たこと、聞いたことを話させた。少年は本物の文彦がきたこと、金の小箱をもらっていったこと、さてはまた、文彦の住所まで話してしまった。おばあさんは縄をといてくれたが、もうしばらくそっとして、ようすを見ているようにといって、急いで出かけてしまったというのだった。
「ぼくはしばらく待っていましたが、なんだかこわくなってきたので、逃げだそうと思ったんです。しかし、あのよろいは、とてもひとりではぬげません。それでよろいごとこの家をぬけだして、ふうふう步いているうちに、おじさんたちがやってきたので林のなかへ逃げこんだんです」
 少年の話がおわると、金田一耕助はうなずいて、
「なるほど、みょうな話だね。しかし、きみは、どうしてそのおばあさんと知り合いになったの?」
「ぼくは上野で、くつみがきをしてたんです。何年もまえからずっとそんなことをしていたんです。ぼくの名、|三《さん》|太《た》というんです。するとある日、あのおばあさんがやってきて、まごが死んだからそのかわりに家へひきとって育ててやろうと、あそこへ連れていったんです」
「あそこって、どこだい?」
 金田一耕助がそうたずねると、とたんに、少年の顔がまっ青になった。ブルブルからだをふるわせながら、
「いえません。それだけはいえません。あそこは地獄だ。地獄のようなところです。銀仮面……仮面の城……ああ、恐ろしい。それをしゃべったら、こんどこそ殺されてしまいます」
 少年はそれきり口をつぐんでしまって、金田一耕助がどんなになだめてもすかしても、がんとして口をひらこうとはしなかった。
 ああ、それにしても、いま少年の口走った銀仮面、仮面の城とはなんのことだろうか。

     茫茸

 三太はかわいそうな少年だった。かれは自分の名まえも|名字《みょうじ》も知らないのだ。道を步いているときに車にはねられてしまい、ひどく頭をうって、それから自分がだれだか、忘れてしまったらしいのだ。おとうさんやおかあさんが、あるのかないのか、それさえわからなくなってしまったのである。仲間はかれを、三太だとか|三《さん》|公《こう》だとか呼んでいるが、それもかってにつけた名まえで、ほんとの名まえではない。
 それを聞くと文彦は、たいそうこの少年に同情してしまった。金田一耕助もあわれに思って、自分の家へ連れていくことになった。
「とにかく文彦くん、きみを先に送っていこう」
「でも、先生、そうすると電車がなくなって、おうちへ帰ることができなくなりますよ」
「なに、だいじょうぶだ。自動車もあるし……」
 そこで金田一耕助は三太を連れて、文彦を送っていくことになったが、じっさい、夜はもうすっかりふけて、三人が文彦のうちのそばまで帰ってきたときには、もう十二時近くになっていた。むろん、どの家もピッタリしまって、電燈の光も見えない。月も西にかたむいて空には星が二つ三つ。
 さて、文彦のうちへ帰るには、電車をおりてから、長い坂をのぼらねばならない。ところが、三人がその坂の途中まできたときだった。とつぜん、坂の上から自動車がもうれつな勢いでおりてきた。
 その自動車のヘッドライトを頭から、あびせかけられた三人は、あわててみちばたにとびのいたが、すると、間もなくそばを走りすぎる自動車から、ヌ盲阮啢颏坤筏郡韦稀ⅳⅳⅳ胜螭趣いΔ长趣坤恧Α¥埭蚊妞韦瑜Δ衰磨毳磨毪趣筏啤ⅳ筏狻ⅴ楗殂y色にかがやく顔ではないか。
「アッ、銀仮面だ!」
 叫ぶとともに三太少年、がばと地上にひれふしたが、そのとたん、
 ズドン!
 自動車の窓から火を噴いて、一発のたま[#「たま」に傍点]が、三太の頭の上をとんでいった。ああ、あぶない、あぶない、三太がぼんやり立っていたら一発のもとにうち殺されていたことだろう。
「ちくしょうッ!」
 金田一耕助はバラバラとあとを追いかけたが、相手はなにしろフル.スピ嗓亲撙盲皮い胱詣榆嚖扦ⅳ搿¥蓼郡郡gにそのかたちはやみのなかに消えてしまった。しかも、テ毳楗螗驻庀筏皮い郡韦恰ⅴ圣螗些‘.プレ趣蛞姢毪长趣猡扦胜盲郡韦馈
 金田一耕助はすぐにもよりの交番へかけつけ、身分をうちあけ大至急、怪自動車をとり押さえるよう、手配をしてもらった。それから文彦のほうをふりかえると、
「文彦くん、とにかくきみのうちへいこう。なんだか気になる。あの自動車はきみのうちのほうからやってきたぜ」
「せ、先生!」
 文彦はガタガタふるえている。
「心配するな。三太、きみが銀仮面というのは、いまのやつのことかい?」
「そ、そうです。おじさん、あいつは、ぼ、ぼくを殺そうとしたのです」
 これまた、まっ青になって、ガタガタふるえているのだ。
「ふむ、ヘッドライトの光で、きみのすがたを見つけたので、びっくりして、殺してしまおうとしたんだな。とにかく急ごう」
 大急ぎで坂をのぼって、文彦のうちのまえまでくると、お隣のおばさんが窓からのぞいて、
「まあ、文彦さん、どうなすったの、あなたおけがをしたんじゃなかったんですか?」
「おばさん、ぼ、ぼくがけがを……?」
「ええ、たったいまお使いのひとが、自動車で迎えにきたんですよ。成城のそばで電車がしょうとつして、あなたが大けがをなすったから、すぐきてくださいというので、おかあさまは、いま、その自動車にのって、とんでおいでになりました。あなたそこらで出会やァしなかった?」
 ああ、それじゃいまの怪自動車におかあさんがのっていたのか……。
「せ、先生、先生!」
「だ、だいじょうぶだ、ふ、文彦くん。ああしておまわりさんに、手配をたのんでおいたから、きっと自動車はつかまる。おかあさんも助かる。だいじょうぶだ、だいじょうぶだ。お隣のおくさん、ありがとうございました。そしてその使いというのはどんな男でした?」
「幛亭颏堡俊ⅳ蓼廊簸い窑趣韦瑜Δ扦筏郡琛¥ⅳ欷饯螭蕫櫲摔胜韦筏椤
 お隣のおくさんもおどおどしている。
 文彦はなにげなく、啵П闶埭堡颏ⅳ堡皮撙俊¥い膜猡ⅳ丹螭悉扦堡毪趣ⅴ坤巍⒂盲驎い考垽胜嗓颉ⅳ饯长丐郅Δ辘长螭扦い韦馈
「せ、先生、こ、こんなものが……」
 文彦がとりだしたのは、一通の封筒だった。裏にも表にもなにも書いてなくて、ただ、封じ目に赤いダイヤの形が一つ。
 金田一耕助が封をきってみると、

[#ここから2字下げ]
 竹田文彦よ。
 もしきみがおかあさんを大事と思うなら、あすの夜十二時、|吉祥寺《きちじょうじ》、|井《い》の|頭公園《かしらこうえん》、一本スギの下まで、黄金の小箱を持参せよ。もしこの命令にそむくとき、また、このことをひとにもらすときは、きみはふたたびおかあさんに会うことはできないだろう。
[#ここで字下げ終わり]
[#地から2字上げ]銀 仮 面

     六つのダイヤ

「文彦くん、しっかりしなきゃだめだ。いまは泣いたり、わめいたりしているばあいじゃない。われわれは戦わねばならん。にくむべき銀仮面と戦わねばならん。そして、あいつを倒し、おかあさんを助けるのだ。文彦くん、しっかりしたまえ」
「先生、すみません。そうでした。泣いているばあいじゃありませんでした。ぼく、戦います。おかあさんのために戦います」
「おじさん、ぼ、ぼくも手伝います。ぼくもいっしょに、銀仮面と戦います」
 三太もそばからことばをそえる。あれから間もなくうちへはいった三人は、こうしてたがいにはげまし合ったのである。
「よし、それじゃ三人力を合わせて、銀仮面と戦うのだ。食うか食われるか、文彦くん、三太、どんなことがあっても、途中で弱音をはいちゃいかんぜ」
 文彦と三太は強く、強くうなずいた。金田一耕助はにっこり笑って、
「よし、それで話はきまった。さて、問睿辖黏蜗浃坤⑽难澶蟆ⅳ长Δ胜盲郡椤ⅳ胜摔猡猡Δ沥ⅳ堡皮欷毪坤恧Α
 文彦は香代子とのあいだにとりかわした、三つの約束を思いだした。しかし、おかあさんにはかえられない――。そこでいちぶしじゅうの話をすると、箱のあけかたまでうちあけた。
「なるほど、8.1.3だね。よし、あけて見たまえ」
 8……1……3……。
 ダイヤルをまわすごとにチ蟆ⅴ俩‘ンと、すずしい音がした。そして、さいごの3に合わせたとたん、パチンとかすかな音がして、金のふたがあいた。
 なかには白いま[#「ま」に傍点]|綿《わた》がギッチリと、すきまなくつめこんである。文彦はふるえる指で、そのま[#「ま」に傍点]綿をとりのぞいていったが、そのうちに、アッという叫び声が、三人のくちびるからいっせいにとんで出た。
 ああ、なんということだろう。ま[#「ま」に傍点]綿のなかには|鶏《けい》|卵《らん》くらいのダイヤが六個、さんざんとしてかがやいているではないか。ああ、そのみごとさ、すばらしさ、赤に、青に、紫に、かがやきわたるまえには、黄金の箱さえみすぼらしいほどである。
「ああ、ダイヤだ。ダイヤだ。ダイヤモンドだ。しかも、これだけの大きさのものが、世界にいくつもあるはずがない。それがどうしてこの箱に……」
 金田一耕助は、気がくるったような目つきをして、箱のなかをにらんでいる。
「せ、先生、こ、これは本物でしょうか?」
「本物だとも。にせものじゃ、とてもこれだけの光はでない」
「おじさん。いったいどのくらいの値うちがあるの?」
「三太、そ、それはむりだ。とても計算できるものじゃない。何十儯⒑伟賰|か……これだけの大きさのこれだけの粒のそろった、傷のないダイヤモンドは、世界にぜったいに類がないんだ」
 金田一耕助が、気がくるいそうに思ったのもむりはなかった。
 ダイヤモンドのような宝石類をはかるには、カラットという単位が使われるのだが、一カラットは〇.二グラム。これだけのダイヤなら、少なくとも二百カラットはあることだろう。
 いままでに発見された、世界最大のダイヤモンドは、九七一カラットということになっているが、これは|原《げん》|石《せき》の大きさで、加工されたり、小さく切られたりするので、完成されたものとしては、英国皇室に秘蔵される『山の光』の一〇六カラットが世界最大といわれているのだ。
 一カラットでも、そうとう高い値段なのだから、それが、大きくなればなるほど、とんでもない値段になってくるのだ。金田一耕助がいま、何十儯伟賰|といったのも、けっしてうそではなかった。金田一耕助と文彦は、息をのんで箱のなかを見ていたが、そのときだった。三太がとつぜん、とんきょうな声をあげたのである。
「お、おじさん、こ、これじゃありませんか。このダイヤじゃありませんか」
 三太が見つけたのは、畳の上に投げだしてあった夕刊だった。金田一耕助と文彦は、三太の指さすところを見て、おもわずアッと息をのみこんだ。

[#ここから1字下げ]
“世界的|大《だい》|宝《ほう》|冠《かん》消ゆ!……怪盗、銀仮面のしわざ……時価数百儯鼉摇ⅴ圣兢颏膜膜嗔膜违昆ぅ洹
[#ここで字下げ終わり]

 そんなことばが六段ぬきの大見出し、大きな活字で書いてあるのだった。
 三人は息をのんで、無言のまま、しばらくこの活字をにらんでいた。

     大宝冠

“世界的大宝冠消ゆ!……怪盗、銀仮面のしわざ……時価数百儯鼉摇ⅴ圣兢颏膜膜嗔膜违昆ぅ洹
 ああ、ひょっとするとこの事件と、文彦のもらった黄金の小箱とのあいだには、なにか関係があるのではあるまいか。
 それはさておき、その夜は三人いっしょに、眠られぬ一夜をすごしたが、夜明けを待って金田一耕助が、文彦や三太を連れて、やってきたのは|桜田門《さくらだもん》の警視庁。|等《と》|々《ど》|力《ろき》警部に会いたいというと、すぐ応接室に通されて、待つ間ほどなくあらわれたのは、四十五、六歳の|血色《けっしょく》のよい人物。それが等々力警部だった。
「やあ、金田一さん、しばらく。おやおや、きょうはみょうな連れといっしょですね」
 警部はふしぎそうな顔をして、文彦と三太少年を見くらべている。金田一耕助はふたりを警部にひきあわせると、
「じつは、警部さん、きょうきたのはほかでもありません。銀仮面のことですがね」
 と、金田一耕助が口をひらいたとたん、警部はひざをのりだして、
「金田一さん、そのことなら、こちらからご相談にあがろうと思っていたところです。いやもうたいへんふしぎな事件でしてね」
「そうらしいですね。新聞でひととおり読んではおりますが、どうでしょう。もう一度、くわしくお話しねがえませんか」
「いいですとも」
 と、そこで警部が話しだしたのは、つぎのようなふしぎな事件だった。
 日本でも指おりの宝石王といわれる、|加《か》|藤《とう》|宝《ほう》|作《さく》老人のもとへ、世界的大宝冠をおゆずりしたいという手紙がまいこんだのは、四、五日まえのことだった。手紙のなかには、何枚かの写真がはいっていたが、その写真を一目見たとき、さすがの宝作老人も、思わずウ啶趣Δ胜盲皮筏蓼盲俊
 そこにうつっているのは、世にも珍しい王冠だが、宝作老人がうなったのは、その王冠に感心したためではなかった。その王冠にちりばめられている、六つのダイヤの大きさなのである。
 いままで世界で知られている、どんなダイヤだって、足もとにもおよばぬような大粒ダイヤ。もしも、これが本物とすれば世界に二つとない大宝冠なのだ。宝作老人はもうほしくてたまらなくなったが、それでも用心ぶかい老人のことだから、じぶんがでかけていくまえに、目のきいた支配人をさしむけた。
 ところが、その支配人も、すっかりおどろいて帰ってきた。それはたしかに本物だったのである。あの大きさ、あのみごとさでは、うたがいもなく、何十儯⒑伟賰|という値うちの品物だというのだ。
 さあ、宝作老人はそれがほしくてたまらなくなった。全財産を投げだしても、それを手にいれたいと思いこんだのだ。しかし、それと同時に、宝作老人がふしぎでたまらなかったのは、その大宝冠の出どころだった。
 宝作老人は専門家のことだから、世界的なダイヤはみんな知っている。どこにどんなダイヤがあるか、どこのダイヤはどのくらいの大きさか、そんなことを、すみからすみまで知っているのだ。しかしこんどのダイヤのようなものは、いままで一度もきいたことがなかった。だいいち、これだけ粒のそろった大きなダイヤは、まだ歴史にあらわれたことがなかったのである。
 宝作老人はもう一度、じぶんの目でたしかめてみたいと思った。そこで、いろいろ交渉したあげく、支配人といっしょに、もう一度、大宝冠を見せてもらうことになり、先方の指定の場
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