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仮面城(日文版)-第15部分

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「手がまわったぞ。道之助、逃げろ、逃げろ!」
 という、ただならぬ叫び声が聞こえてきたかと思うと、それにつづいて、
「道之助、おまえを逮捕する。神妙にしろ!」
 というどなり声とともに、ピリピリとやみをつんざく呼び子の音。さあたいへんだ。これを聞いた観客が、いちどにワッとそう立ちになったからたまらない。場内は上を下への大そうどうになった。
「なんでもない。しずかに、おしずかにねがいます」
「電気をつけろ。電気だ電気だ!」
「キャⅳ俊⒅堡皮ā¥栅撙膜证丹欷毪Γ 
 と、悲鳴やどなり声がいりまじって、いやもうイモを洗うような大混雑。そのなかにあって、例の幽霊花火は、しばらくじっと下のようすをうかがっていたが、やがてヒラリとブランコから飛んだとみると、スルスルとやみの空中をはっていく。どうやら丸てんじょうにはられた綱のひとつに飛びついたのである。
「それ、逃げるぞ。ゆだんするな」
 警官らしい足音が、闇のなかを行ったりきたりする。せめて電気でもつけばよいのだが、こしょうでも起こったのか、いつまでたってもあたりはまっ暗。その中を幽霊花火は、スルスルと空中をぬって三階へとびおりると、ガラス窓をけって、さっとそとへとび出した。
 あとには美罚ё婴埭Δ激螭攘ⅳ沥工螭扦い搿

     幽霊花火の正体

 その夜、浅草蔵前を通りかかったひとびとは、前代未聞の大捕物に血をわかしたのである。
 夜空にそびえる国技館の大ド啶椤⒁护郡蓼辘喂猡斡瘠趣映訾筏郡人激Δ取ⅴ单盲热思窑挝莞摔趣婴辍ⅴ庭亥呋ɑ黏韦瑜Δ恕⑽莞槲莞丐趣长恧菠皮い盲郡椁丹ⅳ郡い丐蟆8督摔悉浃袱Δ蓼盲筏辘趣ⅳ膜蓼盲啤
「やあ、あそこへ出てきたぞ。ほら、かどのタバコ屋の屋根の上だ」
「あ、あっちへ逃げるぞ。川のほうへいくぞ」
「気をつけろ。とびおりるかもしれないぞ」
 と、まるでネズミでも追いまわすようなさわぎだ。
 やがて警官の一行が屋上にすがたをあらわしたが、なにしろ相手は本職の少年曲芸師、屋上の鬼ごっこではとてもかなうはずがない。道之助は川を目ざして逃げていったが、そのうちに追っ手の数はしだいに増していく。
 警官にまじって、やじうまが四方八方からひしひしとつめよせてくるのだ。つごうの悪いことには、道之助は全身から、あの青白い燐光をはなっているのだから、かくれるにもかくれることができない。ようやく川ぞいの家まで逃げのびたものの、見れば、周囲にはひしひしと追っ手がせまっている。
 絶体絶命! 道之助は絶望的な目つきであたりを見まわしたが、ふいに身をひるがえすと、そばにあった浴場の煙突にスルスルと登り出したから、ハッと、一同かたずをのんでながめているうちに、地上何十メ去毪趣い熗护紊稀ⅳ瑜Δ浃饯韦皮盲冥螭摔郡嗓辘膜い康乐稀ⅴⅴ盲趣い﹂gもない。サア盲冉鹕昔椁颏窑い朴缣锎à丐趣婴长螭馈
「あれ、川のなかへとびこんだぞ」
 両河岸から、橋の上に鈴なりになったやじうまが、ワイワイとかけよってのぞいてみると、暗い水のなかに銀鳎Г颏窑椁幛筏胜橛兢い扦い康乐稀ⅳ浃埔护饯Δ违猢‘タ堠‘トに泳ぎつくと、ヒラリとそれにとびのって、ダダダダダダと、エンジンの音も勇ましく、波をけたてて下流のほうへまっしぐらに――それと見るなり追っ手の警官たちも、付近にあったモ咯‘ボ趣颏辘ⅳ膜帷ⅳ郡坤沥摔饯韦ⅳ趣蜃筏盲堡郡ⅳ悉郡筏剖孜菠瑜⒌乐颏趣椁à毪长趣扦郡嗓ΔD―。
 それはしばらくおあずかりとしておいて、こちらはふたたび、国技館の三階である。
 道之助が窓から外へとび出していったあとで、俊助はむらがる見物をかきわけて、美罚ё婴韦饯肖丐堡瑜盲郡⒁姢毪缺伺稀⒔瘠摔鈿萁~しそうにまっ青になっている。
「しっかりなさい、お嬢さん。あいつ、もう逃げてしまいましたよ」
「まあ、どうもありがとう」
「とにかく、出ましょう。ぼくは決してあやしいものじゃない。安心してつかまっていらっしゃい」
 と、俊助が美罚ё婴颏à啤⒐拣^から表へ出て見ると、あの捕物さわぎもおさまって、やじうまもあらかた散ってしまったあとだった。
「おじさま、どうもありがとう。おかげで助かったわ。あたし、ほんとにどうしようかと思ったの」
「なあに、そんなこと。それよりお嬢さんは、あの少年を知ってるの?」
「いいえ」
 と美罚ё婴稀ⅳ长趣肖工胜四郡颏栅护搿
 俊助はここで、さっきチラと小耳にはさんだことばを、切り出して見ようかと思ったが、いやいやそんなことをすれば、相手に用心させるばかりだ。それよりここはしんぼうして、せめて相手の住所と名まえでも聞いておいた方がいいと、早くも心をきめると、
「そうですか。ときにお宅はどちら? ひとりで帰れますか? なんなら、送ってあげようか」
「いいえ、だいじょうぶよ。おじさま、むこうに自動車をまたしてあるのよ」
「ああ、そう。では、そこまでいっしょに……しかし、さっき、つれのひとがいたようだが、待たなくてもいいの?」
「ええ、いいんです。どうせ心配なんかしやしない。あのひと、おとうさまの助手で|志《し》|岐《き》|英《えい》|三《ぞう》さんというんです」
 と、問わずがたりに話す名まえを、俊助は心のなかに記憶しながら、
「ははあ、そしておとうさまというのは?」
「|宗《むな》|像《かた》|禎《てい》|輔《すけ》といいます」
「ああ、それじゃ、あの、大学の――」
 と俊助がおもわずそう聞きかえしたとき、
「ありがとう、おじさま。ここまで送っていただけばもういいわ」
 と美罚ё婴陷Xくおじぎをして、道ばたに待たせてあった自動車にとびのった。
 夜のやみをついて走る自動車のあとを見送った三津木俊助は、なんとなく、今夜のできごとが気になってならなかったのだ。
 宗像禎輔といえばひとも知る有名な大学教授。その有名な博士と、あのサ工紊倌辘趣韦ⅳい坤恕ⅳい盲郡い嗓韦瑜Δ书v係があるのだろう。さっきチラと小耳にはさんだ会話によると、宗像博士の書斎には、道之助によく似た写真がかざってあるらしいのである。
 ――なににしてもふしぎな話だが、それにしても道之助とはいったい何者だろう。さっきの捕物さわぎはどういうわけだろう。そうだ。それからまずたしかめておかねばならない。
 と、そこでもう一度国技館へとってかえした俊助は、だしぬけにポンとうしろから肩をたたかれて、あっとおどろいた。
「ああ、あなたは由利先生」
「三津木君、いいところで会ったね。じつはさっき、君の社へ電話をかけたのだがね」
 と、ニコニコ笑っているのは、白髪で見るからに子供っぽい顔をした紳士である。
 いったいこの紳士は何者かというと、これこそ由利先生といって世間でだれ知らぬ者はない名探偵、そして新聞記者の三津木俊助とは師弟もただならぬあいだがらなのである。
「じつはね、|等《と》|々《ど》|力《ろき》警部から電話があって、かけつけてきたのだよ」
 等々力警部というのは、警視庁きっての腕利きだが、これまた由利先生の弟子にあたる。
「すると先生は、こんやのこの捕物を、あらかじめごぞんじだったのですね」
「ふむ、知っていたよ。だからきみにも知らせてやろうと思って電話をかけたのだ」
「それで、栗生道之助とは何者ですか」
 俊助はおもわず声をはずませた。
「じつはね、三津木君。このことはまだないしょだが、きょう警視庁の等々力警部のもとへ無名の投書がまいこんでね。それではじめてわかったのだが、道之助こそいま世間をさわがせているどくろ[#「どくろ」に傍点]指紋の怪盗だというんだよ」
 聞くなり俊助は、あっとばかりにおどろいた。

     鏡にうつる影

 俊助がなぜそのようにおどろいたか、またどくろ[#「どくろ」に傍点]指紋の怪盗とは何者か、それをお話しするためには、ぜひともちかごろ枺─颏丹铯护皮い搿ⅳⅳ喂质录韦长趣蛘h明しなければならないだろう。
 そのころ、枺┒济瘠稀⒄宀幻鳏喂值沥韦郡幛恕⒖植坤韦嗓蟮驻摔郡郡长蓼欷皮い俊¥ⅳ毪趣贤夤胃吖伽厥iする宝石類がうばわれた。またあるときは、有名な実業家を道に待ちぶせて、所持品ぜんぶをうばいとっていったものがある。そのほか、この怪盗のしわざをいちいちお話しすれば、それだけでもゆうに一篇の小説ができあがるくらいだが、しかも犯人の正体はぜんぜんわからない。風のようにきて、まぼろしのように去るというところから、はじめはまぼろし[#「まぼろし」に傍点]の伽群簸螭扦い郡ⅳ饯韦Δ沥摔撙绀Δ适聦gが発見された。
 この怪盗が仕事していったあとには、いつもきまって、名刺がわりででもあるように、指紋がひとつ残してあるのだが、問睿悉长沃讣yなのである。

※[#ここに指紋の画像「kamen。png」]

 諸君、ためしにじぶんの指紋を眨伽埔姢郡蓼ā¥饯长摔悉窑趣摔瑜盲菩韦长饯铯盲皮い毪ⅳ栅膜Δ窑趣膜韦Δ氦蓼蓼い皮い毪韦虬k見するだろう。ところが、問睿沃讣yにかぎって、一本の指のなかに、三つのうずまきがかさなっているのである。まず、二つのうずまきが左右にならび、その下に第三のうずまきがついているという、じつに奇怪ともなんともいいようのないお化けの指紋、指紋学上でもかつて例のない異常指紋なのである。しかもそのかっこうが、まるでどくろが歯をむきだして、あざ笑っているように見えるところから、だれがいいそめたかどくろ[#「どくろ」に傍点]指紋!
 さてこそ、ちかごろではどくろ指紋といえば、泣く子もだまるといわれるくらい枺┒济瘠丝证欷椁欷皮い毪韦坤ⅳ饯欷摔筏皮猡ⅳ蔚乐倌辘ⅳ饯毪伽值沥扦ⅳ恧Δ趣熄D―。
 話かわってこちらは美罚ё婴馈
 ちょうどそのころ、美罚ё婴悉郡坤窑趣辍丹ひ沟坤巫詣榆嚖摔妞椁欷皮い郡ⅳ趣膜激蟆ⅴ绁盲趣筏郡瑜Δ四郡蛞姀垽盲俊¥啶辘猡胜ぁ%啸氓撺椹‘にうつっている哕炇证晤啢い膜猡韦窑趣趣悉沥Δ韦扦ⅳ搿
 美罚ё婴膝骏郡栅毪à胜椤ⅳ饯欷扦獯螭姀垽盲磕郡扦い盲筏螭绥Rのなかを見つめている。目をそらそうとしてもそらすことができないのだ。と、ふいに見おぼえのある顔が、ハッキリと鏡のなかにあらわれたが、そのとたん、美罚ё婴悉猡铯亥ⅴ盲冉肖螭馈
 あの少年――『幽霊花火』の道之助なのだ。美罚ё婴稀ⅳ胜摔いΔ趣筏郡沥婴毪栅毪à粕訾胜ぁ¥工毪如Rのなかの顔がニッコリ美しい微笑をうかべた。思いのほかひとなつっこい微笑だった。
「お嬢さん、びっくりさせてすみません。あなたのようなかたを、おどろかせるつもりじゃなかったのですが……どうかかんべんしてください」
 ことばもていねいだったし、おどかすような眨婴猡胜盲俊C婪'子はいくらか恐怖もうすらぎ、
「あなたは、いつの間にこんなところへ?」
「じつはさっき、おまわりさんに追っかけられて、隅田川へ飛びこんだのですが、さいわいそこにモ咯‘ボ趣ⅳ盲郡韦恰ⅳ饯欷藖って川下へ逃げ出した――というのはおもてむき、そのとき、ぼくは胴着をぬいで、それをハンドルへかぶせておいたのです。ほら、あなたも知ってのとおり、ぼくの胴着はやみのなかでもキラキラ光るでしょう。だからおまわりさんたちは、ぼくがモ咯‘ボ趣藖っていると思って、一生けんめいに追っかけていったのです。そのあいだに、ぼくはまた水のなかをくぐって、国技館のそばへ引返してくると、そこにあった哕炇证韦い胜ぷ詣榆嚖韦胜丐猡挨辘长摺ⅳ工盲赀ちゃんになりすましたというわけです。ハハハハ、いまごろはおまわりさん、だれも仱盲皮い胜ぶ郅颏啶沥澶Δ摔胜盲谱筏盲堡皮い毪长趣扦筏绀Δ琛
 道之助はいかにもおもしろそうに笑っている。美罚ё婴悉饯卧挙蚵劋い皮い毪Δ沥恕ⅳ筏坤い丝植佬膜猡Δ工椁い恰ⅳà盲埔环Nの親しみさえかんじてきた。
「それで、あたしをどうするの?」
「そうですね。お宅の前でだまっておりていただければいいのですがね」
「もし、あたしがいやといったらどうするの。おまわりさんに、助けてえ谩ⅳ冉肖螭坤椁嗓Δ工毪巍
 道之助は、またカラカラと愉快そうに笑った。
「だいじょうぶ。きみはそんな意地の悪いひとじゃない」
「だって、あなたは、おまわりさんに追われてるんでしょう? あたしそんなひと、助けたくないわ。かかり合いになっちゃいやだわ」
「お嬢さん、もういちど、ぼくの顔をよく見てください。ぼくがそんなわるい人間に見えますか」
 そういわれて美罚ё婴乡Rのなかにうつっている道之助の顔を見なおしたが、すぐ目をそらすと、
「さあ、そんなこと、あたしにはわからないわ」
 と、低い声でつぶやいた。
「ハハハハ、わからないことはないでしょう。きみはぼくを信じてくれたにちがいない。なるほどぼくは警官に追われている。しかし世のなかには、まちがいってこともありますからね」
 道之助の口ぶりには、どこかひとをひきつけるつよい力があった。それに、これがはたして警官から追いまわされている人間だろうか。少しもわるびれたところやオドオドしたところがなく、元気で確信にみちた態度――そういう相手のようすがしだいに美罚ё婴涡膜颏窑膜堡俊
「わかったわ」
「ありがとう。やっぱりきみはぼくの味方だ。ときにお宅はどちらですか」
「あら、ちょうど、うちの方角へきてるわ。もうじきよ」
 それから間もなく、|紀尾井町《きおいちょう》の家の近くで自動車からおろされた美罚ё婴稀ⅳ袱盲取⒌乐芜転ぶりを見送っていたが、その彼女は、この奇妙な冒険にこうふんしたのか、ひとばんじゅう道之助の夢を見つづけた。

     宗像博士の秘密

 さて、その翌日になると、たいへんなさわぎだ。
 新聞という新聞が、社会面の大部分をさいて、昨夜の大捕物の記事をかかげている。ひとびとはそれを読むと、いまさらのようにアッとおどろいたが、わけてもいちばんびっくりしたのは、いうまでもなく美罚ё婴扦ⅳ搿
 彼女は新聞を読むと、くちびるの色までまっ青になった。
 あの道之助少年が、どくろ指紋の怪盗であろうとは! しかも、その怪盗の逃亡を助けたのはとりもなおさず、じぶんではないか。
 そう考えると美罚ё婴稀ⅳい蓼丹椁韦瑜Δ俗蛞工韦长趣冥浃蓼欷俊¥饯螭胜长趣戎盲郡椤ⅳ嗓螭饰j摛颏筏皮扦狻⒕欷刂椁护郡韦恕ⅳⅳⅳ嗓Δ筏瑜Α¥嗓Δ筏瑜Αⅳ然冥浃啶筏郡椤ⅳ筏筏蓼俊ⅳⅳ紊倌辘摔盲啤趣いΔΔ郡い猡铯い皮搿
 ――あのとき、道之助はなんといった。世のなかにはまちがいということもある、といったではないか。そうだわ。これはきっとまちがいなんだわ。あのひとがそんな恐ろしい悪党であるはずがない。だが、それにしてもおかしいのは――。
 美罚ё婴悉饯长扦栅椁栅椁攘ⅳ沥ⅳ毪取⒏袱螘鴶趣丐悉い盲皮い盲俊
 見るとその書斎の壁には古びた写真が一枚かかっている。しかもおどろいたことには、その写真というのが、道之助にそっくりなのだ。目もと、口もと、そして髪の毛をひたいにたらしているところまで、すこし年さえ若くすればゆうべ見た道之助、いやいやきょう新聞にのっている道之助の写真にそっくりなのだ。
 美罚ё婴悉胜螭趣猡いà踏栅筏丹摔Δ郡欷啤ⅳ筏肖椁饯涡凑妞颏袱盲纫姢皮い郡ⅳ饯韦趣
「美罚ё印ⅳ胜摔颏饯螭胜藷嵝膜艘姢皮い毪韦坤汀
 と、うしろから声をかけられて、ハッとふりむいてみると、そこにはまっ青な顔をした父の宗像博士が立っている。
「あら、おとうさま」
 美罚ё婴悉饯韦趣⒏袱晤啢烁·螭揽证恧筏け砬椁恕ⅳ胜螭趣胜丐颏趣嗓恧护郡ⅳ工挨讼ⅳ颏悉氦蓼护啤
「おとうさま、このお写真のかたはどういうひとですの。あたしなんだか、気になってならないの」
 とたずねてみた。博士はそういう美罚ё婴晤喩颏袱盲纫姢胜椤
「ああ、それじゃおまえ、けさの新聞を見たのだね」
「ええ、そうよ。ほら、ここに道之助というひとの写真が出ているでしょう。このひとと、その写真とはそっくりだわ。ねえ、おとうさま、その写真はどういうひとなの?」
 問いつめられた博士は、なんとなく心ぐるしいおももちだったが、
「美罚ё印ⅳ饯涡凑妞趣いΔ韦悉汀⒗跎鼜亍钉皮摹罚铡钉洹筏趣い盲啤ⅳ趣Δ丹螭喂扭び讶摔坤盲俊¥筏贰ⅳ饯韦窑趣稀ⅳ猡κ迥辘猡蓼à怂坤螭坤韦坤琛
「まあ、栗生――ですって? それじゃ、その道之助というひととやっぱりなにか関係があるのね」
「そうだよ。美罚ё印⒌乐蠌卦栅趣いΔ窑趣蜗⒆婴摔沥い胜い韦馈6膜膜韦趣摔妞ú幻鳏摔胜盲皮汀¥饯欷扦趣Δ丹螭祥Lい間、道之助のゆくえをさがしていたのだが、もういけない。美罚ё印ⅳ沥绀盲趣长欷颏搐椁蟆
 博士は顔色を暗くかげらせながら、机のひきだしから古い手帳をとり出したが、やがてパラパラとペ袱颏幛盲泼婪'子の前へさしだした。美罚ё婴悉栅筏饯Δ摔饯违讴‘ジをのぞきこんだが、とたんにまっ青にならずにはいられなかった。
 ああ、なんということだ。そこには赤んぼうくらいの小さい指紋が押してあったが、その指紋というのが、まぎれもなくどくろ[#「どくろ」に傍点]指紋!
「まあ、それじゃやっぱり……おとうさま!」
「そうなのだ。道之助が生まれたときにね、あまりきみょうな指紋だから、おとうさんはこうしてとっておいたのだ。ところが、それから間もなく、道之助はゆくえがわからなくなったのだ」
「でも、おとうさま。おとうさまはこの徹哉というひとと、どんな関係があるんですの」
「いや、そればかりは聞いてくれるな。おとうさんはこの徹哉という男に、すまないことをしているのだ。それでなんとかして、せめてその子の道之助でもさがし出して、むかしの罪ほろぼしをしたいと思っていたのだが、もうだめだ。道之助は世にも恐ろしい悪党になっているのだ」
 博士はそういうと目に涙さえうかべて、
「わしはあのどくろ[#「どくろ」に傍点]指紋のうわさを聞いたとき、すぐにこれは道之助だとさとったのだよ。なぜといって、こんなきみょうな指紋を持っている人間が、世界にふたりとあるはずがないからね。それ以来、わしがどのように苦しんだか……もしあの子がまともな人間に育っていたら……」
「しかしおとうさま、おとうさまはこの徹哉というひとにどんなことをなさいましたの。ねえ、おかくしになっちゃいや。あたしは、なにもかも知りたいの。話してちょうだい。どんなことを聞いてもおどろきゃしないから……」
「美罚ё樱 
 宗像博士は娘の手をとると、ハラハラと涙をこぼしながら、
「それじゃ話すがね、おとうさんはいけない男だったのだ。おとうさんは、その栗生徹哉という男の財産を横取りしたのだよ」
「な、なんですって」
 美罚ё
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